2026年4月10日に、環境省は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」が閣議決定されたことを発表しました。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」の閣議決定について
今回の改正案で、廃棄物処理法制定後56年を経て初めて、廃棄物処理法は「廃棄物ではないものを規制対象に取り込む」方向へ踏み出すことになります。
これは、廃棄物処理法の規制構造の土台が変わることにつながりますので、スクラップヤード業界や自治体の実務にかなり大きな影響が及ぶことになります。
改正の柱は二つです。
- 「スクラップヤード」を対象とした使用済金属・プラスチック物品の保管・再生業への許可制の導入
- 能登半島地震等の教訓を踏まえた災害廃棄物処理体制の強化
廃棄物処理業者・再資源化事業者・自治体担当者のいずれにとっても実務への影響が大きい改正です。
とりわけ、これまで「廃棄物ではない」ために、廃棄物処理法の規制対象とされていなかった「スクラップヤード事業」が新たに規制対象とされることになるため、廃棄物処理法の条文がこれまで以上に複雑化します。
その結果、「従来どおり問題ない」との認識のまま事業を継続した場合、無許可営業や基準違反に該当するリスクが生じる点に、特に注意が必要です。
今回ご紹介する改正案は複雑、かつ膨大な内容となります。
そのため、「廃棄物かどうか」という従来の整理だけでは把握しきれない内容が多いと思います。
社内説明や実務判断に不安がある場合は、講演・研修での解説も可能です。
(制度の全体像から実務判断まで体系的に整理します)
本稿では、条文構造を軸に、この改正の射程と実務上の論点を整理します。
目次
1.改正の背景と立法理由
改正法案の「理由」欄は次のように記述しています。
使用済みの金属・プラスチック物品の不適正な保管又は再生による人の健康又は生活環境に係る被害を防止するため、当該物品の保管又は再生を行う事業について許可制を導入するとともに、非常災害時に生じた廃棄物を円滑かつ迅速に処理するため、非常災害時における被災地方公共団体の支援体制の構築のための地方公共団体と事業者間の協定の締結、当該廃棄物の埋立処分に係る処分場の設置者の指定、当該廃棄物処理に関する専門知識を有する者の派遣の中間貯蔵・環境安全事業株式会社への業務の追加等の措置を講ずる必要がある。
概要資料によれば、全国の自治体へのアンケートで4,000件超のスクラップヤード事業場が確認されており、一部では騒音・悪臭・水質土壌汚染・火災が発生。
不適正なスクラップヤードを経由した金属資源等の海外流出も指摘されています。
一方、令和6年能登半島地震の教訓として、仮置場候補地の事前計画不足・民間処分場の活用停滞・被災自治体の人員不足が改めて課題として認識されました。
2.スクラップヤード規制――第4章の2の新設
2-1.新たな定義(第2条第7〜9項)
改正案は廃棄物処理法第2条に三つの定義規定を加えます。
| 条項 | 定義 | ポイント |
|---|---|---|
| 第2条第7項 | 使用済金属・プラスチック物品 (以下「使用済物品」) | 使用を終了し、全部又は一部が金属又はプラスチックから成るもの。廃棄物・放射性物質等は除く。 |
| 第2条第8項 | 要適正保管使用済金属・プラスチック物品 (以下「要適正保管物品」) | 適正でない保管(譲渡のためのものに限る)が行われた場合に生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるため、適正な保管を要するもの。 |
| 第2条第9項 | 要適正再生使用済金属・プラスチック物品 (以下「要適正再生物品」) | 適正でない再生及び当該再生のために行う保管が行われた場合に生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるため、適正な再生及び保管を要するもの。 |
環境省資料では「金属スクラップ」「雑品スクラップ」「使用済プラスチック」が、「要適正保管物品」の具体例として挙げられています。
「廃棄物には該当しない」使用済物品を扱う事業が新たに許可対象となる点が、制度上の最大の特徴です。
※環境省「【参考資料】廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」より転載
2-2.要適正保管使用済金属・プラスチック物品保管業の許可(第24条の7〜14)
新設される第4章の2第1節は、要適正保管物品の保管(譲渡のためのものに限る)を業として行う者に対し、都道府県知事の許可を義務付けます。
許可の主要な要件(第24条の7第5項)は次のとおりです。
許可基準(第24条の7第5項各号)
- 施設及び申請者の能力が環境省令で定める基準に適合すること(第一号)
- 申請者が欠格要件に該当しないこと(第二号イ〜ワ)
欠格要件のうち刑事罰関係では、「拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」(同号ハ)が挙げられています。
許可の有効期間は「5年を下らない期間」であって政令で定める期間ごとに更新が必要です(第24条の7第2〜第4項)。
廃棄物処理業の許可と同様の更新制度です。
許可を受けた者(要適正保管使用済金属・プラスチック物品保管業者)は、政令で定める要適正保管使用済金属・プラスチック物品保管基準に従って保管を行わなければならず(第24条の7第7項)、帳簿の備付け・記載・保存義務も課されます(同条第8・9項)。
また、第24条の13・14では、国内で収集された要適正保管物品のうち、バーゼル条約上の特定有害廃棄物等に該当するもの(特定要適正保管使用済金属・プラスチック物品)について、原則として国内での適正保管を求めつつ、輸出する場合には環境大臣の確認を要求する制度が新設されます。
2-3.要適正再生使用済金属・プラスチック物品再生業の許可(第24条の15〜21)
第2節は、要適正再生物品の再生及び当該再生のために行う保管(合わせて「再生及び保管」)を業として行う者に対する許可制度です。
基本的な構造は保管業の許可(第1節)と対称的です。
| 事項 | 保管業(第1節) | 再生業(第2節) |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 第24条の7 | 第24条の15 |
| 許可権者 | 都道府県知事 | 都道府県知事 |
| 更新 | 5年を下らない政令で定める期間 | 5年を下らない政令で定める期間 |
| 基準 | 要適正保管使用済金属・プラスチック物品保管基準(政令) | 要適正再生使用済金属・プラスチック物品再生・保管基準(政令) |
| 輸出規制 | 第24条の14(環境大臣確認) | 第24条の21(環境大臣確認) |
| 事業停止・取消 | 第24条の9・10 | 第24条の17(第24条の9・10準用) |
なお、成品の製造工程の一部として行われる再生及び保管は本許可の対象外とされています(第24条の15第1項ただし書関連)。
2-4.雑則・罰則(第24条の22〜36)
第3節には報告徴収(第24条の22)・立入検査(第24条の23)・改善命令(第24条の24)・措置命令(第24条の25)・基準違反行為者への命令(第24条の26)などが整備されます。
また、環境衛生指導員の職務への追加(第24条の27)、国による情報交換促進(第24条の28)、許可等に際して警察への意見聴取義務(第24条の29)なども規定されます。
2-4-2.第25条第1項 新設罰則(第十七号〜第二十九号)の全容
改正案では、廃棄物処理法第25条第1項(5年以下の拘禁刑もしくは1千万円以下の罰金、またはその併科)に第十七号から第二十九号が新設されています。
| 号 | 違反行為(案文の文言をもとに要約) | 根拠条文 | 違反の具体例 |
|---|---|---|---|
| 第十七号 | 無許可で要適正保管物品の保管業(譲渡目的)を行った者 | 第24条の7第1項 | 許可を取得せずに金属くず・廃プラスチック等を譲渡目的で保管するスクラップヤードを営む |
| 第十八号 | 不正手段により要適正保管業の許可・更新を受けた者 | 第24条の7第1項・第2項 | 不正手段で保管業許可を取得 |
| 第十九号 | 変更許可を受けずに保管業の変更事業を行った者 | 第24条の8第1項 | 変更許可を受けずに保管場所・保管品目を変更・拡張して事業を継続する |
| 第二十号 | 不正手段により保管業の変更許可を受けた者 | 第24条の8第1項 | 不正手段で変更許可を取得 |
| 第二十一号 | 事業停止命令・措置命令に違反した者 | 第24条の9(第24条の17準用を含む)・第24条の25第1項・第2項 | 事業停止命令や措置命令違反 |
| 第二十二号 | 他人に要適正保管物品の保管業を名義貸しした者 | 第24条の11 | 自己の許可名義を使わせて第三者にスクラップ保管業を営ませる「名義貸し」 |
| 第二十三号 | 環境大臣の確認を受けずに特定要適正保管物品を輸出 | 第24条の14第1項 | 環境大臣の確認を受けずに特定要適正保管物品を海外へ輸出 |
| 第二十四号 | 無許可で要適正再生物品の再生及び保管業を行った者 | 第24条の15第1項 | 許可を取得せずに要適正再生物品の再生及び保管業を営む |
| 第二十五号 | 不正手段により要適正物品再生業の許可・更新を受けた者 | 第24条の15第1項・第2項 | 不正手段で要適正物品再生業許可を取得 |
| 第二十六号 | 変更許可を受けずに再生業の変更を行った者 | 第24条の16第1項 | 変更許可を受けずに再生業の変更を行う |
| 第二十七号 | 不正手段により再生業の変更許可を受けた者 | 第24条の16第1項 | 不正手段で再生業の変更許可を取得 |
| 第二十八号 | 他人に要適正再生物品の再生業を名義貸しした者 | 第24条の18 | 自己の許可名義を使わせて第三者に再生業を営ませる「名義貸し」 |
| 第二十九号 | 環境大臣の確認を受けずに特定要適正再生物品を輸出した者 | 第24条の21第1項 | 環境大臣の確認を受けずに特定要適正再生物品を輸出 |
改正案は第25条第2項を改正し、「第十五号、第二十三号及び第二十九号」を両罰規定の対象に追加しています。
輸出規制違反(第二十三号・第二十九号)については、行為者個人の刑事責任にとどまらず、法人としての組織的責任も問われます。
輸出業務を行う事業者においては、法人内のコンプライアンス体制の整備が不可欠です。
第25条以外にも、改正案は次の罰則規定を追加しています。
第26条第七号(新設):第24条の24第1項・第2項(改善命令)または第24条の26第1項・第2項(許可失効後等の措置命令)に違反した者。
第29条第八号(新設):第24条の8第4項(第24条の16第3項準用を含む)の規定に違反して、届出をせず又は虚偽の届出をした者。
さらに第30条には帳簿不備・立入検査拒否・報告不提出等に係る罰則が追加されます(第30条第九〜第十二号)。
2-5.既存許可業者の適用除外
実務上、重要な規定が第24条の12(保管)・第24条の19(再生)の「既存許可業者等に係る適用除外」です。
廃棄物処理法上の既存の許可を有する次の事業者は、新たに第24条の7第1項(保管業許可)または第24条の15第1項(再生業許可)の許可を受けなくても、当該許可に係る廃棄物の処理と生活環境の保全上同等の保管・再生行為を行うことができます。
| 適用除外の対象者(第24条の12) | 根拠許可 |
|---|---|
| 一般廃棄物収集運搬業者 | 第7条第1項 |
| 一般廃棄物処分業者 | 第7条第6項 |
| 一般廃棄物処理施設の設置者 | 第8条第1項 |
| 産業廃棄物収集運搬業者 | 第14条第1項 |
| 産業廃棄物処分業者 | 第14条第6項 |
| 特別管理産業廃棄物収集運搬業者 | 第14条の4第1項 |
| 特別管理産業廃棄物処分業者 | 第14条の4第6項 |
| 産業廃棄物処理施設の設置者 | 第15条第1項 |
既存の廃棄物処理業許可を有する事業者は「みなし」規定により、適用除外を受けつつ、第24条の7第7〜9項(保管基準・帳簿義務等)の規定が適用されます(第24条の12第2項)。
つまり許可取得は不要でも、基準遵守・帳簿作成義務は課される点に注意が必要です。
3.災害廃棄物処理体制の強化
3-1.計画策定義務と協定締結
改正案は「非常災害廃棄物」という統一用語を導入し(第2条の3)、以下の体制整備措置を講じます。
第6条第2項に「非常災害時における施策に関する事項」が一般廃棄物処理計画の記載事項として追加されます(第6条第2項第六号で新設)。
これにより、市町村には、一般廃棄物処理計画に非常災害時における施策に関する事項の記載が義務付けられます。
具体的な記載内容は今後の政令・省令・指針等で明らかになる見込みです。
協定締結については次の二層の制度が設けられます。
| 主体 | 根拠 | 内容 |
|---|---|---|
| 都道府県 | 第5条の6の2 | 非常災害廃棄物適正処理業者との間の協定締結(努力義務)。隣接都道府県・市町村間の相互支援協定も対象。 |
| 市町村 | 第6条の4 | 非常災害廃棄物適正処理業者との間の協定締結(努力義務)。都道府県・他市町村との相互支援協定も対象。 |
また、非常災害廃棄物の再委託規制の緩和措置も盛り込まれています。
市町村から処理委託を受けた者(非常災害廃棄物処理受託者)は、一定の基準に従い当該廃棄物の処理を他人に委託(再委託)することができるとされます(第6条の2第3項・第5項)。
これは通常の一般廃棄物処理における再委託禁止の例外です。
3-2.最終処分場設置者の指定制度(第9条の3の4)
新設される第9条の3の4は、都道府県知事が、一定の基準に適合する一般廃棄物最終処分場または産業廃棄物最終処分場(廃棄物処理法第15条第1項に基づき一般廃棄物処理施設として設置されているものに限る)の設置者を、申請に基づき非常災害廃棄物最終処分場の設置者として指定できる制度を創設します。
指定の基準(同条第1項各号)は次のとおりです。
- 施設が環境省令で定める基準に適合するものであること(第一号)
- 申請内容が廃棄物処理計画に適合するものであること(第二号)
- 申請者の能力が非常災害廃棄物の処分を円滑かつ迅速に、かつ継続して行える環境省令基準に適合するものであること(第三号)
指定を受けた設置者(指定非常災害廃棄物最終処分場設置者)は、市町村から委託を求められたとき、正当な理由がある場合を除き、これを受けることが義務付けられます(同条第4項)。
また、指定は政令で定める期間ごとに更新が必要であり(同条第3項)、基準不適合・正当な理由のない委託拒否等の場合には指定が取消される可能性があります(同条第7項)。
4.関連リサイクル法の改正
廃棄物処理法と並行して、以下のリサイクル法等が改正されます。
主な目的は、各法に基づく認定事業者が新設される許可(第24条の7・第24条の15)を受けなくても(許可みなし)、要適正保管物品の保管・要適正再生物品の再生業を実施できるよう手当てするためです。
| 改正対象法律 | 主な措置 |
|---|---|
| 資源有効利用促進法 | 認定自主回収・再資源化事業者の許可みなし(同法第57条改正) |
| 使用済自動車再資源化法(自動車リサイクル法) | 解体業者・破砕業者の許可みなし(同法第122条改正) |
| 使用済小型電子機器等再資源化促進法(小型家電リサイクル法) | 認定事業者の許可みなし(同法第13条改正) |
| プラスチック資源循環促進法 | 認定自主回収・再資源化事業者等の許可みなし(同法第41条等改正) |
| 再資源化事業等高度化法 | 認定高度再資源化事業者・認定高度分離回収事業者の許可みなし(同法第13条・第18条改正) |
| 太陽電池廃棄物再資源化推進法 | 条文整備(第14条改正) |
これらの許可みなし規定においても、各リサイクル法に基づく認定事業者は廃棄物処理法第24条の7第7〜9項(保管基準・帳簿義務等)の規定が準用されます。
許可は不要でも基準遵守・管理義務は免れない点は、廃棄物処理業者の適用除外と同構造です。
5.施行期日
| 施行時期 | 対象条文・事項 |
|---|---|
| 公布日から3か月以内(政令で定める日) |
災害廃棄物処理体制関係
|
| 公布日から2年6か月以内(政令で定める日) |
スクラップヤード規制・関連リサイクル法改正
|
附則第2条により、施行日前であっても第24条の7第1項の許可及び第24条の15第1項の許可の事前申請が可能とされています。
許可取得が必要な事業者は早期の準備が求められます。
6.実務への具体的影響
スクラップヤード事業者(廃棄物処理業許可なし)
現在、廃棄物処理法上の許可を一切有していないスクラップヤード事業者については、要適正保管物品の保管(譲渡目的)または要適正再生物品の再生業を行っている場合、施行日までに都道府県知事の許可を取得する必要があります。
許可要件として施設基準(環境省令)・申請者の能力基準(環境省令)・欠格要件の全てへの適合が求められます。
特に施設基準の詳細は今後の環境省令で定められますが、保管場所の仕様・雨水対策・区画管理等が要件化されることが予想されます。
また、政令で定める「保管の用に供する事業場の敷地面積が政令で定める面積以下の者」等については許可が不要とされるただし書がありますので、「保管面積」ではなく、「事業場の敷地面積」が許可要否の算定基準となることに注意が必要です。
廃棄物処理業者(既存許可保有者)
産廃・一廃の収集運搬業・処分業・処理施設設置者は、第24条の12・第24条の19の適用除外規定により、新たな許可取得は不要です。
ただし、要適正保管物品の保管または要適正再生物品の再生業を行う場合は、それぞれの「保管基準」「再生・保管基準」(政令)の適用を受け、帳簿の備付け・記載・保存義務が生じます。
したがって、廃棄物処理業者においても、①政令・省令の制定内容の把握、②保管基準への設備対応、③帳簿管理体制の整備を施行日までに済ませる必要があります。
各種リサイクル法の認定事業者
自動車リサイクル法の解体業者・破砕業者、小型家電リサイクル法の認定事業者、プラスチック資源循環法の認定事業者等は、各法に基づく認定の範囲内で保管・再生業を行う場合、廃棄物処理法の新設許可は不要です。
ただし、廃棄物処理法の保管基準・帳簿義務が準用されます。
市町村・都道府県(行政担当者)
市町村は一般廃棄物処理計画への災害廃棄物対策事項の記載が義務付けられます。
仮置場の候補地選定・推計廃棄物量の算定・民間事業者との協定締結など、平時からの準備体制構築が求められます。
都道府県は最終処分場の設置者指定制度の運用準備が必要です。(※指定を受けたいと思う民間事業者が存在するかどうかについては疑問に思いますが)
7.まとめ
本改正案は、廃棄物処理法の枠外にあったスクラップヤードに対し初めて体系的な許可規制を導入するものであり、廃棄物・リサイクル法制にとって重要な節目となります。
許可制・保管基準・輸出規制という三層の規制構造は、既存の廃棄物処理業規制と並走する新たな規制体系を形成します。
一方、災害廃棄物対策については、計画策定義務・協定制度・最終処分場指定・JESCOへの業務追加という多角的な措置が講じられており、能登半島地震の教訓が具体的な制度として結実した改正といえます。
実務対応として最優先すべき事項は、
- 自社が要適正保管物品・要適正再生物品の保管・再生業に該当するか否かの確認
- 政令・省令の内容の継続的なモニタリング
- 施行日(公布から2年6か月以内)を見据えた準備スケジュールの策定
となります。
今後の注目点
本法案の施行に向けて、環境省は政令・省令の立案を進める見通しです。
政令では
- 要適正保管物品・要適正再生物品の品目リスト
- 許可更新期間
- 適用除外となる敷地面積基準
が定められ、
省令では「施設基準・能力基準の詳細」が示される予定です。
これらの二次立法の内容次第で、実務対応の方向性は大きく左右されますので、引き続きウォッチしていきます。
本改正は、従来の「廃棄物かどうか」という整理では説明しきれない内容を含んでおり、 排出事業者・処理業者・自治体のいずれにとっても、理解の前提が変わる改正です。
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