当ブログ 2026年7月30日付記事 「第1回スクラップヤード環境対策技術検討会 「保管基準・再生基準の論点整理」」 で、「第1回スクラップヤード環境対策技術検討会」で示されたスクラップヤード規制案の全体像についてご紹介したところです。
規制対象が膨大かつ複雑になるため、全体像しかお示しできなかったため、改めて規制背景から、個別の論点ごとに規制案の詳細を検討していきます。
今のところの予定では、5回程度の連載を予定しています。
本連載で検討する資料は、上記会合で示された「資料3 スクラップヤード規制に係る検討事項と論点整理」です。
資料3を1ページずつ読み解くという、変態、もといチャレンジングな試みですので、お時間のある時に読み返していただければ幸いです。
今後検討される内容の全体像

後のスライドにも書かれていますが、上記のスライド1中で赤字で書かれている部分が、政省令での規制事項であり、「スクラップヤード環境対策技術検討会」での議論していく内容となります。
自明のことであるため、本スライドには正確な法律上の名称は使われていませんが、重要な定義であるため、念のため補足しておきます。
「使用済金属・プラスチック物品」(第2条第7項)
使用を終了し、収集された物品で、その全部又は一部が金属又はプラスチックから成るもの(廃棄物並びに放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)
廃棄物は明示的に除外されており、あくまで有価物として流通するスクラップが対象の上位概念です。
「要適正保管使用済金属・プラスチック物品」(第2条第8項)
使用済金属・プラスチック物品であって、適正でない保管(譲渡のためのものに限る。)が行われた場合には人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるため、廃棄物の適正な保管と生活環境の保全上同等の保管(譲渡のためのものに限る。)を要するもの
「譲渡のための保管」に限定されている点が重要です。自家消費目的の保管はこの定義に含まれません。
「要適正再生使用済金属・プラスチック物品」(第2条第9項)
使用済金属・プラスチック物品であって、適正でない再生及び当該再生のために行う保管が行われた場合には人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるため、廃棄物の適正な再生及び保管と生活環境の保全上同等の再生及び当該再生のために行う保管を要するもの
「再生のための保管」を対象に含む点で、保管のみを対象とする上記の定義と異なります。
「※許可を要しない者」の例として、「製鉄、精錬等の一部として行われる再生を行う者」が挙げられているのは、上記の「譲渡のための保管」に該当しないことが理由とわかります。
筆者の視点
では、下取り回収として回収した「使用済金属・プラスチック物品」を、スクラップヤード事業者に売却(譲渡)する目的で保管をする事業者の場合はどうなるか?
許可の対象となるかどうかは、今後の検討会で議論が進められることになっていますが、法律の条文上は「譲渡のための保管」に該当するため、許可取得が求められる可能性が高いと考えます。
検討事項
まず、「検討事項1」については、先行事例である「スクラップヤード条例」を参考にしながら、スクラップヤード規制の詳細を詰めていく旨の方針が明示されています。
筆者の視点
これは、規制の方向性を予測する上で、大きなヒントになります。
現実的な問題としても、スクラップヤード条例から大きく外れた規制を、廃棄物処理法でいきなり創出するという可能性は低いということです。
ただし、すべてのスクラップヤード条例が同内容の規制というわけではないので、一部の条例とは若干の乖離が生じる可能性はありますが、廃棄物処理法の規制は、「ナショナルスタンダード」としての一定の現実的ラインに落ち着くものと思います。
ポイントで示されている「都道府県等による事務執行に当たり、基準遵守の判断に必要な情報を示すこと」は、後のスライドで登場する「ガイドライン」を指すと考えて良さそうです。
次に、「検討事項2」では、「完成品の製造工程」と「再生原料」の定義をどうするかが課題として挙げられています。
これは何のための検討かについては、スライド1を再度参照していただくと、
廃棄物処理法の「スクラップヤード規制」の対象とならない「再生」と「再生原料」の定義をするということですので、製鉄事業者等にとっては非常に重要な問題であることがわかります。
検討の流れ
「年度内に検討結果をとりまとめ」とあります。
1.5カ月に1回程度の開催頻度と仮定すると、第2回が「9月上旬」、第3回が「10月中旬」、11月か12月初旬までに検討結果を取りまとめ、12月から翌年1月にかけてパブリックコメントの募集、というスケジュール感になりましょうか?
その後、来年3月頃までに、閣議決定で改正政令を決定、公布。
その後、スクラップヤード規制に関する改正法の施行日が2028年12月19日までに確定、という運びとなりそうです。
次の第2回はヒアリングだけの模様なので、筆者のような熱狂的フリークではない、真っ当な社会人の方は、第3回以降の検討会を注視すれば十分だと思います。
次回予告
次回は、資料3のスライド4(検討事項)以降を取り上げます。
保管基準・再生基準はどのような考え方で策定されるのか、「スクラップヤード条例との関係」にも触れながら詳しく解説していきます。
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