「今後の廃棄物処理制度のあり方について(意見具申)(案)」の分析(第2回目 PCB廃棄物)

「今後の廃棄物処理制度のあり方について(意見具申)(案)」の分析(第1回目)に引き続き、「PCB廃棄物」に関する廃棄物処理法改正の方向性を分析していきます。

4.PCB廃棄物に係る対策

1.PCBの適正な管理体制の確保

PCB特措法等において、高濃度PCB廃棄物の継続的な処理体制の確保、低濃度PCB使用製品及び PCBの使用が疑われる製品(以下「低濃度PCB使用製品等」という。)に係る管理を強化する措置、低濃度PCB含有塗膜等の管理等促進の措置を講ずることにより、POPs条約で求められている令和10年までのPCBの適正な管理を実現する必要がある。

総論に関する記述です。
「高濃度PCB廃棄物」「低濃度PCB廃棄物」「低濃度PCB含有塗膜等」の3種類のPCB廃棄物が論点であることがわかります。

2.高濃度PCB廃棄物の新たな処理体制の確保

  1. 前処理技術の実証試験結果を踏まえた上で、廃棄物処理法に基づく無害化認定制度の対象に高濃度 PCB 廃棄物を追加するとともに、無害化設備に付加する前処理技術の基準追加を行うべきである。
  2. 新たに発見された高濃度 PCB 廃棄物(新たに発見された高濃度 PCB 使用製品の場合も現行の処理期限を徒過しているため廃棄物とみなして取り扱う。)は、引き続きその保管や処分の状況等を、保管事業者及びその処分を行う者が都道府県知事に届け出ることとする。また、現行の処分期間、特例処分期限日等に係る規定は廃止するが、保管事業者が高濃度 PCB 廃棄物に該当すると知った日から一定期間内に、自ら処分又は処分委託をすること等を義務付け、これらの対応が不十分な場合には、行政指導、行政代執行、罰則の対象とすべきである。

「1」
「前処理技術の実証試験結果」というキーワードがいきなり登場しますが、小委員会の審議の過程で提出された資料中の、今後実施される予定の「高濃度PCB廃棄物の前処理技術確立のための実証試験の結果」を指します。

「2」
今後新たに発見されること間違いなしの「高濃度PCB廃棄物」についても、保管事業者及びその処分を行う者に、保管や処分状況の都道府県知事への届出義務が課される方針です。

3.低濃度PCB使用製品に係る管理制度の創設及び低濃度 PCB 使用疑い製品に係る措置

  1. 低濃度PCB廃棄物の保管事業者及びその処分を行う者に加え、低濃度PCB使用製品の所有事業者に対して、低濃度PCB使用製品の管理や廃棄の見込み等の状況について、都道府県知事への届出を義務付けるべきである。なお、高濃度PCB使用製品の一部については電気事業法に基づく対応がとられてきたことを踏まえ、低濃度PCB使用製品についても同様の対応を検討すべきである。
  2. PCBの使用が明らかでない製品について、製造年代等からPCBの使用が疑われる範囲の特定を進めるとともに、所有事業者に対する当該PCB使用疑い製品の管理や廃棄の見込み等の状況把握の方策について検討すべきである。
  3. 低濃度PCB使用製品について、所有事業者に対して、機器の紛失やPCBが飛散・流出することを防ぐための管理基準を定めるとともに、低濃度PCB使用製品の他社への引継ぎ等により所有事業者が替わる場合は、都道府県知事への事前の届出を義務付けることにより、確実に管理する仕組みとすべきである。さらに、保管事業者や所有事業者の倒産等の個別事案への対応も想定した仕組みとすべきである。
  4. 所有事業者は、使用を止めて廃棄しようとする際には、現行の処分期間に係る規定を改め、都道府県知事に届出の上、低濃度PCB廃棄物を一定期間内に自ら処分又は処分委託をすることを義務付け、現行制度と同様に、処分の状況を届け出る仕組みとすべきである。

「1」
低濃度PCB使用製品の所有事業者に、低濃度PCB廃棄物に関する管理状況や廃棄見込み等の都道府県知事への届出義務が課される予定です。

「2」
こちらは国への提言項目です。

「3」
低濃度PCB使用製品については、管理基準が設定される予定です。
所有者が替わる場合には、「所有者の変更届(?)」の届出が義務化される予定です。

「4」
低濃度PCB廃棄物を処分する際には、都道府県知事へ届出の上、一定期間内の自ら処分または処分委託が義務化されるとともに、処分状況の届出も義務とされる予定です。

4.建築物・設備に係る低濃度PCB廃棄物の計画的な処理に係る措置

低濃度PCB塗料が使用された建築物や設備等を有する者(国、自治体、特定業種企業等)について、既にその特定が進められていることを踏まえ、管理や廃棄の手順を策定するとともに、当該建築物・設備を所管する省庁と連携し、当該手順が遵守されるよう必要な措置を講ずるべきである。

これまで曖昧な部分があった「橋梁等の建築物に使用された低濃度PCB塗料を含んだ廃棄物」について、管理や処分委託の基準が設定される予定です。

5.事務の見直し等

  1. ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画については、上記の制度改正を踏まえ、必要な改定を行うこととすべきである。
  2. 都道府県のポリ塩化ビフェニル廃棄物処理計画の策定や、PCB廃棄物の保管及び処分の状況の公表義務については、都道府県によっては高濃度PCB廃棄物及び低濃度PCB廃棄物を処理する無害化認定施設等が所在していないこと、所在量がまばらであることから、全ての都道府県等に計画策定や公表義務を求める必要性は低くなっており、自治体の事務負担軽減のためにも廃止すべきである。
  3. JESCOの高濃度PCB廃棄物処理事業が完了となり、今後JESCOは自らのPCB廃棄物処理施設の解体に係る業務が中心となることを踏まえ、JESCO法の関係規定を見直すべきである。また、中間貯蔵施設の維持管理等に万全を期すべきであり、引き続き、これらを確実かつ適正に実施するための組織・体制が必要である。

都道府県やJESCO等のPCB廃棄物に関する事務の法律上の規定の見直しを求める項目ですので、それらの機関以外にはほとんど関わりの無い内容です。

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