昭和48年8月4日付環整61号 PCB使用部品を含む廃棄家電製品の処理について

いまだにこの通知が公開、つまり有効な通知として環境省のHPに掲載されていること自体が驚きです。

PCB対策の歴史的経緯を知るためには、この通知を見ることも少し役に立つかもしれません。
通知を読んでいると、当時の各省庁が縄張り争いをしている様子をうかがうことができます。

しかしながら、肝心の廃家電に含まれるPCB処理対策については、何も書かれていないに等しい通知です。

  1. 家電メーカーが廃家電からPCB使用部品を取り除き
  2. その後に残ったものを市町村が回収する

という回収スキームが主眼となっていますが、「家電リサイクル法」制定以前に、このようなスキームが当時の日本で成立していたとはとても思えません。

現実的には、市町村が廃家電としてPCB使用部分も一緒に回収し、それを不燃物として処分していたのが大半だと思われます。

PCBの毒性については、既に当時の政府には現在と同じくらいの知見があったはずですので、「政府はスキームを示すだけで、後は家電業界任せ」という姿勢は、無責任と言わざるを得ません。

ひょっとすると、環境省は、過去の失敗に学ぶ「反面教師」として、この不名誉な通知を掲載し続けているのかもしれませんね(苦笑)。

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